2013年08月04日
田中さんへ by Atsushi Kondo
高校2年生の夏休み最後の日。
静岡の街を歩いていたら、
ずっと憧れていたのサッカー選手にバッタリ会った。
1つ上のGK。
絶対に彼だと思って、後を追って、
勇気を振り絞って声をかけた。
「 Zさんですよね?」
どこからどう見ても本人なのに、彼の返事は
「 違います 」
だった。
一瞬、私の頭の中は真っ白になったけど、
次に私の口から飛び出した言葉は
「 違ってもいいから、握手してください!」
全く、人間は追い詰められると突拍子もないことを言い出す。
本当に違うかもしれなかった彼と握手をしてもらった私は、
家に帰ってすぐに手袋をはめて、
その握手の余韻に2~3日浸っていた。
ずっとずっと憧れていた人と会うチャンスが到来したとき、
そのチャンスを生かせるかどうかは、
もしかすると、ストライカーの才能があるかどうかと
似ているのかもしれない。
めちゃいいボールが来て、それをゴールできるかどうか。
点を取れるかどうか。
チャンスを生かせるかどうか。
ま、憧れの人に対するチャンスを生かすということが
どういうことかをまず考えておかなければいけないけれど。
私の場合、
ずーっと会いたかった人を目の前にしたら、
ドキドキしすぎて、体が震えて、
結局、言いたいことや伝えたいことは何も言えず、
あーあ、と、後で後悔しながら、
でも、素敵な一日だったと思うだろうな、きっと。
今日がそんな一日だったら良かった、とも思う。

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