2009年11月01日
なでしこ離婚相談室のボール
あれは多分、中学2年の3学期の初日か2日目くらいのことだったと思う。
既に大勢集まった視聴覚室のテレビには、藤色のユニフォームが映っていた。
みんなヒガシコーの試合を観戦しようとこの部屋に来ていた。
当時、学校で一番大きなテレビが視聴覚室にあって、
きっとサッカー部の何人かが、家に帰ってからだと試合に間に合わないから、
「視聴覚室で観よう!」ということにしたんだと思う。
それを聞きつけて、あんなに大勢の生徒が視聴覚室に集まっていた。
私もそのひとりだった。
普段はとても出来なかったけど、机の上に座ったり、机の上に立ったり、
机にイスを乗たりして、みんなそれそれテレビが観れるように頑張っていた。
いや、テレビを観るというよりも、ヒガシコーを観たかった。
選手権に出たそのチームには、中学校の先輩が何人かいたし、
何よりも藤色のユニフォームに憧れているサッカー部員もいっぱいいたから。
結局(確か)、その試合でヒガシコーは負けてしまったけど、
大勢で1つのテレビを観るという、道徳の時間以外のテレビの使い方を
私はその時、初めて体験した。
みんなで同じ1つの「ヒガシコー頑張れ!」という気持ちを共有した感動も味わった。
生徒たちが大勢視聴覚室に集まって、勝手に学校のテレビをつけて観ている。
先生もきっと知っていたと思うけど、「やめなさい!」なんていうヤボな先生はいなくて、
その次の日も何のおとがめもなくて、ただただその日のことは良い思い出として残っている。
まだ 「パブリックビューイング」 なんて洒落た名前もついていない昔の、
ちょっぴりドキドキの楽しい良い思い出。
※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。