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2010年09月16日

改正臓器移植法に思う



改正臓器移植法が7月に施行され、

脳死と判定されたとき、本人の臓器提供の意思が不明のときは、

家族が承諾することによって臓器提供ができるようになりました。

つい先日、「家族承諾による臓器提供8例目」という新聞記事を目にしましたから、

今後も件数は増えていくでしょう。

移植を待つ患者さん本人や家族にとっては、嬉しいことに違いはないでしょう。



ただ・・・ 私個人に限って言えば、

例えば明日、脳死状態になったとしたら、臓器提供する決心がつきません。

自分は脳死状態だから決心も何もないんですけど・・・

私自身は死んだら、もう肉体は必要ないし、その臓器を提供することが他の人の役に立つのなら

とっても喜ばしいことだというのはよくわかります。

でもそれがいざ自分のことに置き換えて考えると、今の私にはその覚悟がないですね。

だからといって「生」に執着しているつもりもないんですけど。



私の夫は割り切りの早い人ですから(笑)、

私が脳死状態に陥れば、きっと臓器移植に承諾するでしょう。

それが容易に想像できるだけに、

今は「臓器提供は拒否する」という意思表示をしておかないといけないかな?と思います。

あくまでも今日の考えですからね。明日になったら変わるかもしれないですし。



そう考えていると、私が日々接している 離婚問題に直面した人 がもし脳死判定を下されたら!

と、考えるとちょっと恐ろしくなります。

実際には別居していたり、はたまた家庭内別居していたりしても法律上は夫婦ですから、

家族の承諾というと、夫なり妻なりがまず承諾する人になるのでしょうか。

承諾にあたって夫婦仲までは調査する時間はないでしょうから、

「あいつさえいなくなってくれれば」 と思っている側が安易に承諾するケースなんかもありそうです。

ほかに親族がいれば簡単にはいかないでしょうが、

両親は既に他界、兄弟もいるけど何年も会っていないし、

離婚直前だなんてことは心配かけると思って誰にも言っていない、そういう方も結構います。

そうなると、自分の生死(脳死判定を疑うわけではありません)は、憎き配偶者に握られるという、

死ぬに死に切れない状況に陥るわけですよね。

ちょっと怖くないですか? 



「家族承諾の臓器移植○例目」

という記事を目にするたびに、そんな不謹慎なことを思っている離婚カウンセラーです。

  

Posted by 田中延代 at 20:26
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